高樹 のぶ子。 初めて描かれた在原業平の一代記 後編:日経ビジネス電子版

のち、篠ひろ子さんと再婚されています。 主人公はユヒラさんという、どこか女性らしさが漂う男性と夜釣りに出る。 郷に癌が見つかるのです。 数日前に漬け込まれた生のワタリガニの肉は、半透明に熟成して、かぶりつき啜(すす)るようにその身を食べるとき、紹興酒とカニの肉が口の中で溶けて広がり、その酩酊(めいてい)感はたまらなくアジア的。 嗅覚や触覚など、五感を刺激する文章でもあるからだろう。 ワタリガニの料理と言えば、中東の海からやってきた冷凍モノを、白ワインとニンニクで炒めてトマトソースで煮込み、パスタにかけて食べるのも美味しいが、やはりアジアのお酒が染みこんだものには及ばない。 世界がまた、少しだけ柔らかくねじれる。 戦前なら、名士の妻妾同居は珍しいことではなかったし、才能ある妻が愛人をもつことも世間は許していました。 彼女には「何十年も昔に書いた惨めな失敗作」があった。
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